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    障害のある人が働くということ 〜行政、企業、事業者それぞれの責任〜

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      JUGEMテーマ:軽度発達障害児

      就労支援フォーラム NIPPON 2015
      2015.12.06 PM 講演シンポジウム聞取り要約メモ
      慶応義塾大学商学部商学研究科 教授 中島隆信
      厚生労働省社会・援護局障害保険福祉部 部長 藤井康弘
      日本財団ソーシャルイノベーション本部国内事業開発チーム チームリーダー 竹村利通


      障害者総合支援法が施行されて3年目だが、一定の効果は確認できるものの、着地点は未だ見えない。精神を加えた障害者枠のなかで、(注:精神は現行雇用率の算定には算入できるが雇用の義務づけは平成18年度から) 民間企業の法定雇用率が2%(従来1.8%)に引き上げられたが、法律でインセンティブを与えることの歪みも見過ごせない。特例子会社を企業のなかに就労移行支援や就労継続A型として抑え込んでしまったり、A型を企業に取り込むかたちで利用したり等の弊害も出てきている。
      法律の順守と経営効率の両立のために、企業側も相応の努力を払っている。シュレッダー作業やメール整理作業、清掃等を障害者に提供する仕事として集約しているが、まとまった仕事にするためにムダな業務の増加に寄与しているケースもある。たとえば、仕事の抽出しを増やした迄はよいが、シュレッダー作業の業務増がゴミの増加につながり、結果、資源節約の環境対策や企業利益と矛盾が生じることも起きている。
      就労支援事業のあり方でいえば、A型の場合、職員が相当に疲弊している事業所が少なくない。本来、最賃以上の仕事を障害者に提供するのが使命だが、その使命を果たすために職員が時間度外視で労力投入している例もある。他方、B型のほうは、法的な位置づけに曖昧なところがあって、ミッションが見えにくく、そのため事業者は就労継続支援としてどう性格を固めていくか苦戦しているところである。
        移行支援に継続A型、B型を加え、これら就労支援事業所は、その運営財源の大半を、補助金・助成金と給付費に負っているが、これらの原資は税金であり、納税者からすると、企業もしくはそれに近いような団体に税金投入する根拠はどこにあるのか、当然の疑問が生じる。納税者への説明責任が欠かせないところである。この点の疑問を略式の財務諸表
      (主としてB型の例)を使って図式化すると次のようなことになる。

      ある福祉施設の損益計算書
      費   用      収     益
      与        11,200,000
      利用者工賃             2,650,000
      その他人件費           2,600,000
      その他経費             8,679,934
                  2,970,066
      補助金収入                 1,200,000
      就労事業収入               4,800,000
      給付費収入                22,000,000
      利用者負担金                  30,000
      雑 収 入                    70,000
                          28,100,000                           28,100,000
       社会会計上は2000万円の赤字!


      ここで見えるのは要するに、補助金等の公費を二千三百万円いただいて、二百六十万円の金品を利用者たる障害者に支給している構図である。これでは、二千三百万円の交付を受けて、それをそのまま障害者が社会貢献活動に従事するための費用として使ったほうが、より理に適っているのではないかという議論が出てくるのをむやみに否定はできない。
      さて、障害者の就職差別に関連して言えば、来年4月1日から障害者差別禁止法(略称)が施行されるが、現状では社会一般に「差別」への理解がすすんだとは思えない。そこで、差別とは何か、3分類して考えてみたい。
      1「偏見」…一部の人はこれでイイ気持ちになるが、他方、これにより社会的なコストも多方面で発生している。
      2「統計的な事実」…たとえば精神障害者が新聞記事になるような事例を引き起こすと、
      報道機関は一斉に、精神障害者に付随する一般的な問題行動のように報じてしまう。
      これが誤った社会的シグナルとなり、精神障害と聞いただけで、何かしら問題を起こす危険人物と捉える人が出てきてしまい、やがて差別視の拡大へとつながっていく。
      3「間接差別」…これが最も重要で、コンプライアンス(服従・遵守等)の問題である。たとえば正規雇用なのだから好きなように働かせてもいいだろうと、過酷な労働を強いて結果的に精神疾患に到らせる類のことである。
      これら社会的差別をどうするか。要は「差別しないで配慮しなさい」ということである。
      直接差別でいえば、「自力で階段を昇れない障害者は雇えません」ではなく、物理的改善や
      人的支援等の「配慮」により障害者が就労できるようにする。間接差別でも、「配慮」の積
      み重ねを心がけることで、大小の偏見やシグナルを解消していく。職場の間接差別の場合、
      「各人の持っている能力を生かし、それぞれの困難を伴う部分については合理的に援助し
      ていく」ことを旨とすれば、方法の構造化も可能になるのではないか。たとえば職務を相
      対的に特化して、Aさんは魚、Bさんは肉とすることで、最終的に経済的な比較にも耐え
      得るような業務体制に持っていく。適材適所はよく言われることであるが、合理的配慮あ
      っての適材適所で、機能不全者への間接差別もなくしていけるはずである。機能不全でも、
      精神の場合は長時間持続が困難、発達の場合は知的には支障なくてもコミュニケーシヨン能力が不足
      と、特性が異なる。それゆえに、インターバル法で可能な業務に充てる、言葉によるやり取りよ
      りも知的集中を要する業務に充てる等々の配慮で、これらの方々を含め全体として職場を
      運営していく観点が大事である。皆での観点を言うのは、突き詰めて探していけば、皆に
      機能不全が見出されると思われるからである。一つの機能不全を障害にするのは差別であ
      ろう。昔は、ここでいう機能不全を抱えた人々を障害者として区別はせず地域に取り込ん
      でいたのである。

      ここから差別のない就労支援の方向性が見えてくるのではないか。障害者差別禁止法の
      みで差別解消をめざすのは、大変なコストを要する話である。福祉事業者や福祉施設がそ
      のコストを負担?それでは逆戻りのようなものである。社会全体で負担しなければならな
      いが、そのためには、どういう差別をしたら社会のコストが増大するのか、国民の意識の
      向上が不可欠である。障害者でなくても、障害を抱えた人はいる。たとえばフルタイムで
      働けない子育て中のOLや、親の介護のために勤務時間が制約される主婦社員は、会社に
      おいては障害者と同様の差別にあう立場になることもある。すべての人に何らかの障害が
      あり得るということであり、障害をせまく限定してしまうと、いろんな学びが抜け落ちる
      ことになる。障害は置かれた立場にもよるのである。つまり差別は障害者だけのものでは
      なく、だれでも置かれた状況次第で、いつ差別的な扱いを受けるか分からない。(といって
      皆を障害者関係法の範疇に引き込むことはできない) この点でも社会のコンセンサスを高
      めていく必要がある。
      ここで一計として、みなし雇用という概念を提起してみたい。これは以前にはなかった
      ことだが、企業がB型へ発注した場合、しかるべき反映法で、企業側の雇用率にカウント
      してあげるという、B型の販路推進に寄与する方策である。他方A型は、販路開拓は要さ
      ず、自らのケアに集中できるようにする。
      「愚民のうえに悪しき苛政の政府あり、良民のうえに良い政府あり」という。日本国に
      おいて、この国民ありてこの政治ありである。障害者差別禁止法はじめ、国民にボールは
      投げられたのである。批判もよいが、天に唾することにならないように願いたい。また、
      マスコミ等が役所批判を展開しているが、役所の批判は簡単である。役所は、今回のよう
      な福祉の神髄や差別問題につながる件で、ああしろこうしろとは決して言えないし、マス
      コミへの反論も控えるほかない。
      ところで、B型とともに移行も増えているが、成果を上げているところは50%ぐらいで、
      一般就労への送り出しがゼロというところも35%ぐらいある。来年予定の現行法3年経過後
      の改正法審議会でも、このことが問題視されており、議論になっている。さらに、A型の
      場合も、数年で増大したのはよいが、営利法人の占める割合が高いうえ、短時間労働者が
      多いため(これが問題ではないが)、賃金が低水準にとどまっている。最賃×就労者数より
      就労事業収入のほうが目に見えて低額なのは、収益の上がらない仕事のみ与えているから
      ではないのかというA型の問題点が強く指摘されるに至っている。すなわち、先ほど見た
      損益計算書の例がA型にもあてはまる例が多いのではないかという危惧が持たれはじめて
      いるのである。

      就労支援事業の財政的な要諦を再確認すると、皮肉な数字問答が派生してくる。まず押
      さえておきたいのは、より良いものは障害者のためにあるのであり、事業者のためではな
      いという点である。B型で職員が132,000円いただきオレたちには14,000円しか支給でき
      ないのであったら、その132,000円をオレたちにくれ、それでオレたちは社会のためにな
      る労働をしようという利用者の声が上がってくるのを全面否定はできない。ただし、これ
      では社会参加にはなるが、社会活動にはならないという難点がある。
      この点、移行支援について見てみると、作業所から移行支援に走った人の98.5%は、コ
      ストをかけて制度等整備して頂いたうえ単価アップがあったからというのが理由である。
      これらの事業者が果たして2・3年後、利用者を労働者として社会に返すことで、コストの
      返還ができているか、今後のために精査しておく必要があろう。なにせこの就労支援事業
      をコストの面から追究すると、厚生行財政の4本柱のうちの3本が投入されていることが
      確認できるのである。

      すなわち、公衆衛生、社会保険、公的扶助、社会福祉の4本柱中の
      後者3本である。これだけの行財政機能を駆使して支援を受けている分野だが、まことに
      A型・B型の人には気の毒な話であるのは重々承知なるも、辛辣な陰口を紹介すると、A型
      については、あたりまえのA、あくどいAなど、他方、B型については、重篤者を置いて
      おくだけのB、貧乏臭いBなどがある。とくにB型の場合、その性格に法的曖昧さが伴っ
      ている分、手厳しい風当りを受けやすい。それで貧乏臭いB型からA型に逃れていく人も
      出てきてしまう。たとえ月額工賃が1万数千円だったとしても、公的扶助と障害年金を加
      えれば何とかなるにもかかわらず、意識次第ではやはりB型に居ずらい人も出てくる。他
      方、A型では職員が頑張りすぎで(頑張るほかない?)、疲弊しているところも少なくない。
      利用者で間に合わない分を職員が補うと言うと聞こえはよいが、一種の本末転倒とも言え
      る。大変だろうが、これでは一部の批判もやむを得ないかもしれない。A型も例の財務諸
      表をいつも頭に置いておく必要があろう。三種施設とも仕事の質を上げていくのが急務だ
      が、とくにB型は、A型・移行との距離を縮めていくことに意を注ぎたい。

      みなし雇用については、福祉事務所へ戻る懸念を覚えている人もいる。A型の職員疲弊
      は事実だが、最近は事業として着実な歩みをしている所も増えている。引続き事業の開拓
      と速い動きが要請されている。従来、A型には事業の組み立てが苦手な人が多かったが、
      必死の思いで悪戦苦闘しているうちに、事業のあり方が見えてきた事業者もいるようだ。
      コンサルタント委嘱や職員の頑張りではなく、売上げ増やすには、価値の乏しかったものに価値を
      与えていく作業に、その裏付けを与えていく営みが大事である。厚労省令では月額工賃の
      最低基準が三千円だが、A型がそれでは困るわけで、B型からA型への移動をのぞむ人に
      とって行き場に困ることになる。B型なら、重度だから炬燵に入って煎餅頬張りながらの
      割箸作りで月一万数千円もよいが(肯定ではない!)、社会人らしい工賃を求めてA型を希
      望する人は、一万五千円だった月額が、十万五千円+社保となることで、その工賃の差に
      社会で働く喜びが見出せるのである。
      工賃倍増計画の実効性については、各地方や各施設でかなりのバラツキが見られた。そ
      れにはそれなりの背景があるだろうが、今日やらないものは明日もやらないだろうし、い
      ろんな理由をつけてやらないものである。いちばん問題なのは、何が最も問題になってい
      るのか、ネックが分からないままの右往左往である。それを究明分析して、打開策を組み
      立てていくのが、構造化でもある。何としても実現する心意気を持ちたい。
      以上の議論を、障害者の問題にとどめず、国民全体、社会全体の問題へと定着させてい
      かねばならない。
      来年の障害者差別解消法の施行は、その大きな契機となるであろう。

      今フォーラムにおいて議論しながら、かなりの情報共有ができた。各参加者は居場所に戻っ
      てから、志しを共有する方々とともに真直ぐな思いで、日常実践を通して、それらを生か
      していっていただきたい。これはまぎれもなく、社会を変えていく、イノベーションです。
      皆さんのご奮闘を期待します。
       

      就労系福祉施設の役割

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        就労系福祉施設の役割

        就労継続施設として、福祉的就労先としての役割をこなすべく、利用者さんに対して
        『仕事の場』を提供してA型においては賃金の、B型においては工賃の向上を目指している。
        また、就労の準備が整った利用者さんに対しては、継続支援の利用者さんにも、就労移行のサービスも提供する。
        そういった役割が課されていると認識している。
        極めて真面目に『課された役割』について考え、取り組んできたつもり。
        当然力不足により満足にサービスが提供できていない事も多々あるが、ありがたい事に経験豊富な職員や、やる気に満ちた職員達に支えられ、ただただ実直に・・・という姿勢に温かいお心で寛容に受入れ協力して下さる利用者さんや保護者様に励まされ歩んできた。

        『仕事の場』の提供も『就労準備』を整えるサービス提供も、大きな隔たりが無いと感じている。
        福祉施設であっても、『仕事の場』であるからこそ、就労の準備をする為のサービスが提供できるのではないだろうか。
        知的・身体・精神・・・様々な障害をもち、それが故に抱えておられる障壁を、正に『仕事の場』を提供する中で、実際に一般就労される時に、どのように捉え、考え、振る舞ったら良いのかを身につけていただけるのではないでしょうか。

        様々な特色をもった施設があって良いのだと思う。
        選択肢の一つであって良いと思う。NEST利用という選択をして下さった利用者さんや保護者の皆さんが、あぁ、NESTを選んで良かったと思って下さるようなサービスが提供できれば何よりだと思う。
        障がいをもった方達が主役なのだから・・・。
         
                                 
        JUGEMテーマ:軽度発達障害児
                       IMG_0189.JPG

        NEST訓練作業での取り組み

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          JUGEMテーマ:軽度発達障害児

          NEST訓練作業での取り組み  作業の工夫

          訓練作業の一つとして、小型ネイチャーストーブの組立を行っています。
          部品種類が10種、部品点数12個から構成される製品です。

          主な作業は
          ・本体の組立の組立 リベットを使用して、エアリベッターにてカシメ組立作業
          ・各部材の保護フィルムを剥がしてクリーニング後、ビニール袋で梱包
          ・取扱説明書の折り畳み作業工程

          今回工夫を行った作業工程は 部材を組み付ける作業工程

          ・A部品のスリットにB部品のツメを挿しこみ、ラジオペンチを使用してツメを曲げ、組み付けていく作業なのですが、感覚に任せる作業となり、比較的能力の高い利用者でも曲げる角度や仕上がりが安定せず難易度の高い作業工程となりました。


           そこで、作業難易度を下げると共に、効率化、仕上がりの安定化を図るべく
          「作業の標準化」を進めるために治具の考案を行いました。

            NESTの取り組みの一つとして、「就労現場に近い環境の提供」があります。
          NESTには、金属加工、電子、電気、自動車部品の製造や木工製品の製造を経験した職員が職業指導員として支援に就いており、今回の案件においても実際の製造現場同様に、まずは「作業の標準化」に取り組みます。
          各職員に相談を持ちかけると直ぐに多くのアイディアが浮かび、その場で紙面上に簡単な図面を作図する方法で更にアイディアを煮詰め、具体的な作業工程の分解方法、作業手順、治具製作方法を検討していきます。
          そして翌日にはアイディアを現実にすべく、治具の製作を行い生産現場で新たなサポートツールとして具現化されているのです。


          出来上がった治具を使い、利用者に試してもらうとなんとも素晴らしい結果となりました。




           時間がかかり、手直しを必要とする工程だったのですが、どの利用者が作業を行っても同じに仕上がり、作業効率が大幅に向上、作業時間の大幅な短縮につながっています。
          作業時間の短縮が可能になるという事は、時間当たりの生産数が増え、利用者が得る工賃の向上にもつながっていきます。

           NESTでは常日頃からこういったアプローチで各作業工程の難易度を下げ、「作業の標準化」を行い、作業に適応できる利用者を増やす努力を行い、利用者への成功体験をもたらすと共に工賃向上のための取り組みとしての一環として日常的に行っています。

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